Eco Activity
おもてなし電気通信 -vol.1-【やまがた新電力】
エネルギーの地産地消で、地域に安心と潤いを
~山形で生まれた電力を、山形のみなさんへ届ける~
おもてなし電気通信、第1回目は山形市松波にある「やまがた新電力」です。
やまがた新電力とは…?
「やまがたの自然のエネルギーを山形に」を掲げ、エネルギーの「地産地消」と「供給基地化」の実現、災害対応力の向上を図り、やまがた創生を目指している企業です。
電力の自由化がもたらした新しい取り組み
SDGsやゼロカーボンシティなどの観点から注目を集める「地域新電力」。
自治体が出資を行い、限定のエリアに電気供給をする新しい形式の小売電気事業のことで、40社(2020年調べ)の地域新電力が全国に存在します。
きっかけとなったのは2016年の電力の完全自由化。
今回ご紹介する「やまがた新電力」は全国でも珍しい県との連携のもと、2015年に設立、2016年4月より事業を開始しました。
地域の電力で災害にも環境にも貢献
今回、どのような活動を行っているのか、実際に取材をさせていただきました。
話をうかがったのは経営管理チームの菅原秀樹さんと事業企画チームの遠藤駿さん。
設立の経緯には東北大震災が大きく影響していたようです。
「あの時は山形でも大規模停電が発生しました。そうした教訓を踏まえ、独自にエネルギーをお届けするシステムを構築して、災害時でも対応力を向上させていければと。エネルギーの地産地消ですね」と菅原さん。
「2050年までのカーボンニュートラルの実現に向けた取り組みが求められています。発電する際に二酸化炭素を排出しないCO2フリーの電力を届けることで社会に貢献していきたいと考えています」。
遠藤さんの話からも、今後さらに必要とされる事業であることが伝わってきます。
エネルギーの地産地消
エネルギーの地産地消と供給基地化を目指す「やまがた新電力」のエリアは県内全域。
発電事業者(バイオマス発電、風力発電、太陽光発電、水力発電など)から直接調達する電力は県内の再エネ発電施設で発電されたものです。
街では太陽光パネルを設置している一般住宅も多く見かけるようになり、余剰電気の買い取りについての問い合わせも増えているそうです。
ただし、太陽光発電や風力発電は時間帯や季節、気象状況などによって発電量が増減するため、電力不足の心配も。
そのため、不足分の電力を他の電力会社から別途調達する必要が発生したときは非再エネ電力で補い、安定供給を優先しています。
現在は県庁、小・中学校などの各市町村施設をメインに、県内に本社を置く事業所や個人の住宅にも供給しています。
「電気に色はついていませんからわかりにくいですよね」と前置きしながらも、菅原さんは「山形県で生まれたエネルギーを地域のみなさんにお届けするのが私たちの役目であり使命です」と話します。
さまざまな地域へのメリット
「地域経済の活性化」も大きなコンセプト。地域で生み出されるエネルギーを地域で消費することで税収につながり、地域に貢献するというメリットも。
また、電力の供給業者が増えれば競争原理によって、発電コストが下がる可能性もあります。
何より大事なのは、こうした事業に取り組んでいる企業の存在を知ることかもしれません。
地域経済の循環、地域脱炭素化といった課題を、電気を通し、身近なこととして考えてみませんか。
please tell me!
《電気を買いたい人》
Q .料金メニューは?
A.気になる料金体系は、「基本料金」+「従量料金」として計算されます。
案件によって異なるため、具体的な金額はお問い合わせ下さい。
Q.新たに電線を引かなければならないのでしょうか?
A.東北電力が保有する送配電網を使うので、基本、工事は必要ありません。
また、電気そのものの品質や信頼性(停電の可能性など)は、どの会社から電気を買っても同じです。
Q.やまがた新電力が事業を停止すると電気の供給は止まってしまいますか?
A.やまがた新電力の事業停止により、ただちに供給が停止することはありません。
新たな供給元をお客様に選んでいただきご契約頂く必要があります。
《電気を売りたい人へ》
Q.新たに再エネを買い取る計画はありますか?
A.取り扱い電力の規模の拡大については、計画的に実施していく予定ですので、個別にご相談を承ります。
ただし、発電容量が10kW未満の低圧太陽光発電設備の買取については随時受付をしておりますので、売電をご希望の場合にはHPをご覧の上でご連絡ください。
≫やまがた新電力HPはこちら(https://ymgt-ps.jp/)
(2024.5取材 ライター 佐藤昌子)